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原稿捨てられてない?

・相談(捏造)


 はじめまして、ねこみみにゃんにゃん姫☆ です。
 年齢は四十六歳ですが、投稿歴はまだ三年くらいです! こんな初心者のあたしに、教えて欲しいことが

あります。
 あたしはよく官能小説を書いているんですけど、こうゆうのってやっぱり、自分の体験がベースになって

きますよね?
 ということは、まあおさんは同性愛者なんですかあ? こないだ読んであげた作品、めっちゃレズでしたよ! あはっ☆
 あと、あたしの書いた力作を見てください。こんなに上手に書けてるのにどうして合格しないんだと思いますかあ? もう三年も、スニーカー大賞に出してるんですけど一次すら通過してないとか絶対おかしいです。編集部であたしの原稿捨ててるんだと思いませんかあ! プンプン!
「あんあんいやいやんらめえしょこはよわいのおお。いやーんうふんうっふーん、やらああたしきもちよくなってきちゃったよお。ここがいいんだなくくっ、もうぐちょ(以下略)」

・回答

 ねこみみにゃんにゃん姫☆ さん、こんにちは。
 私の作品を読んでいただけたのこと、どうもありがとうございます。
 どういったジャンルの作品にせよ、小説というものは虚構と実体験のはざまにあるものだと思っています。
 私個人について言えば、ありとあらゆる現実から虚構を引きずり出して創作します。この力を多くの方は想像力と呼び、私は妄想力と呼んでいます。
 作家にとって妄想はとても重要なものだと思います。
 ぜひ、ねこみみにゃんにゃん姫☆ さんも実体験を大きく膨らませて、素敵な妄想を引きずり出して言語化してみてくださいね。楽しいと思いますよ。
 そういうわけですので、私自身のセクシャリティが作品にそのまま反映されているかどうかはわかりません。ただ、そういう内容の小説を書く程度には興味があるという事実は否定しておりません。
 そして二点目のご質問ですが、基本的にどこの出版社も賞金を出してまで新人賞を設置しているくらいなのですから、さすがに原稿を故意に捨てることはないと思っています。紛失や郵便事故の可能性がないかどうかはまったく分かりかねますが、三年連続でそんな不幸に見舞われることは考えづらそうですね。
 ということは、何か別の要因があって、ねこみみにゃんにゃん姫☆ さんの作品が一次選考を通過しないのではないかと思います。
 実際には出版社にきいてみないと分かりませんが、どこの出版社でも選考に関する問い合わせには答えてくれないようですので、自分でその理由を考えていくより他ありません。これは、ねこみみにゃんにゃん姫☆ さんだけでなく他の応募者もまったく同じ条件です。
 私がひとつ考えたのは、ねこみみにゃんにゃん姫☆ さんがお書きになっているのは官能小説なのですよね? スニーカー文庫から、官能小説が出版されたことはあるのでしょうか。ちょっとエッチなライトノベル、と官能小説との間に何か大きな壁のようなものがあるとしたら、スニーカーさんに官能小説を送っても永遠に採用されない可能性があります。
 これを我々は「カテゴリー・エラー」と呼んでいます。
 出版社の新人賞はやはり、自社の本として即出版できるような素敵な作品、を求めていると思いますので、あまり斬新なものはどんなによく書けていても「カラーに合わない」「うち向きじゃない」とされて落選するのではないでしょうか。
 蛇足にはなりますが、私も以前某ラノベ新人賞に送った作品が落選の上、評価シートに「主人公の年齢が三十路というのはいかがなものか。十代を主人公にしてください」と書かれたことがあります。
 かといって、その出版社でありがちな設定のものを送ると「ありきたり」と思われそうで、難しいですよね。お互い、カテゴリー・エラーとありきたりのはざまにうまいこと投球できるようにがんばりましょうね。

 

 ねこみみにゃんにゃん姫☆ さん、ご相談ありがとうございました。今後ともがんばってくださいね。

(まあお)

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